2025年に2度目の大阪万博が開催されることが決まり、徐々にこの巨大イベントに対する注目が国内外で高まっています。
また、今回の万博によってもたらされる経済効果についても方々で話題になっています。
そんな中で、今再び注目が集まっているのが2005年に我が国で開催された愛知万博です。
ここではこの愛知万博について、主として経済効果という観点から取り上げていきたいと思います。
愛知万博とは
愛知万博と聞いても、おそらくこれについて鮮明に記憶しているという方は多くないと思います。
ですので、まずは愛知万博とは何だったのかというところから始めたいと思います。
愛知万博とは
2005年に愛知県名古屋市東部丘陵地域で行われた日本国際博覧会(英訳:The 2005 World Exposition, Aichi, Japan)のことを指します。
日本では愛・地球博という名前で呼ばれていたため、そちらの名前で憶えている方の方が多いでしょう。
万博のテーマは「自然の叡智」で、20世紀までの「開発型」「国威発揚型」から、
21世紀の新しい博覧会の形である「人類共通の課題の解決策を提示する理念提唱型」への変容を遂げた万博として位置付けられています。
開催期間は2005年の3月25日から9月25日までで、実に6か月(185日)に渡って行われました。
また愛知万博は、「褒章制度」が1958年のブリュッセル万博以来、約半世紀ぶりに復活したことでも注目を集めました。
これは、万博内の建物のデザインや展示内容を審査し、その結果に応じて金・銀・銅の各賞を贈るというものです。
万博は全体を通して大変な賑わいとなり、最終日には約24万人が会場に訪れるなど、21世紀最初の万博として大成功の内に幕を閉じました。
愛知万博の経済効果
万博というのは、どの時代どの国でも国家を挙げた一大イベントとなります。
そのため、万博開催による経済効果も非常に大きなものとなります。
しかし愛知万博に関して言えば、当初の段階では経済的に大きな成功を収めるとは予想されてはいませんでした。
万博に直接関わった事業者の中には、赤字覚悟で参加した会社もあったと言われています。
ところが、蓋を開けてみると愛知万博は経済的にも大きな成功を収めることになりました。
まず、総入場者数は2204万人に上りました。
当初の予想では1500万人程度に止まると言われていましたから、それよりも700万人も上回ったということになります。
そして、入場料に関しても開催期間全体で575億円の収入がありました。
当初は、入場料収入の総額は425億円と予想されていましたから、こちらでも当初の予想を大幅に上回ったということになります。
そしてその結果として、最終的な運営収支は約120億円の黒字となりました。
さて、そこで気になるのが万博開催による経済効果ですが、こちらについてもかなり良い結果となりました。
何と、1兆3000億円の経済効果をもたらしたのです。
ちなみに、この経済効果によって数十万人規模の雇用創出効果があったとも言われています。
ですので、愛知万博は少なくとも経済的な面から見ると、間違いなく成功だったと言うことが出来るわけです。